三十代の半ばに差し掛かった頃から私は鏡を見るたびに憂鬱な気分に襲われるようになっていました。朝のセットが決まらなくなり前髪のボリュームが明らかに減少し生え際が後退している現実に直面したとき同僚や友人の視線が自分の頭部に向けられているような被害妄想に駆られる日々を送るようになったのです。AGAクリニックの門を叩こうかとも考えましたがネットで調べるほどに副作用への不安が募り特に性機能障害や肝機能への影響といったリスクを目にするとどうしても薬物療法に踏み切ることができませんでした。そんな折に偶然見つけたのがAGAレーザー治療という選択肢であり最初は「光を当てるだけで髪が生えるなんてそんな魔法のような話があるわけがない」と完全に疑ってかかっていました。しかし調べていくうちにアメリカのFDAが認可していることや多くの医学論文で効果が報告されていることを知り副作用のリスクがほぼゼロであるという点に強く惹かれて藁にもすがる思いで家庭用のレーザー育毛キャップを購入することを決意しました。決して安い買い物ではありませんでしたが将来への投資だと自分に言い聞かせ注文ボタンを押した日のことは今でも鮮明に覚えています。数日後に届いたその機器は一見すると普通の野球帽のようでしたが内側には無数のレーザーダイオードが埋め込まれておりスイッチを入れると赤い光が放たれる未来的なデバイスでした。使い方は拍子抜けするほど簡単でシャンプーをして髪を乾かした後に帽子を被ってスイッチを入れるだけというものでありこれなら三日坊主の私でも続けられるかもしれないという期待を抱かせました。最初の一ヶ月は正直なところ何の変化も感じられずやはり高いお金をドブに捨ててしまったのではないかと後悔する夜もありましたがメーカーの「効果が出るまでには最低でも三ヶ月から半年はかかる」という説明を信じて毎日のルーチンとして淡々と続けました。変化を感じ始めたのは使用開始から三ヶ月が経過した頃でした。それまではシャンプーのたびに排水溝に黒々とした毛玉ができるほど抜け毛がありましたがその量が明らかに減り始めたのです。朝起きた時の枕元の抜け毛も減少し掃除の回数が減ったことに気づいた時は小さなガッツポーズをしたくなりました。さらに半年が経つ頃には生え際の産毛が以前よりも太くしっかりとしてきたことを指先の感触で実感できるようになり鏡で見ても地肌の透け感が改善されていることが分かりました。以前のように雨や風を極端に恐れることもなくなり自信を持って外出できるようになったことは私にとって何よりの収穫でした。薬のように劇的に髪が爆発的に増えるわけではありませんが頭皮の環境が整い髪一本一本にコシが出てきた感覚があり何よりも薬を飲み続けるという心理的な負担から解放され被るだけという手軽さが自分には合っていました。今ではこの帽子を被って過ごす数分間が一日の終わりのリラックスタイムの一部となっており焦らずじっくりと自分の髪と向き合っていく自信がつきました。
半信半疑から確信へ変わった私の低出力レーザー育毛体験記