インフルエンザや新型コロナウイルス感染症などで高熱を出して寝込んだ数ヶ月後に突如として大量の髪が抜け落ちるという現象は決して珍しいことではなく古くから知られている身体反応の一つですがAGAの進行と勘違いしてパニックになる方が後を絶ちません。この現象は休止期脱毛症と呼ばれウイルスとの戦いや高熱による消耗によって体が生命維持を最優先するモードに切り替わった結果髪の毛の成長という直接的に生命に関わらない機能が一時的にシャットダウンされることで起こります。通常髪の毛の約九十%は成長期にあり残りの十%が休止期にありますが体に強力なストレスがかかると成長期の髪が一斉に成長を止めて休止期に入ってしまいその休止期に入った髪が数ヶ月のタイムラグを経て抜け落ちるため病気が治って元気になった頃に忘れた頃にやってくる抜け毛の嵐として現れるのです。この脱毛はAGAのような局所的な薄毛ではなく頭部全体からまんべんなく抜けるのが特徴で手ぐしを通すだけでパラパラと落ちるほどの勢いがあるため恐怖を感じますが原因が一時的な体調不良であるため基本的には体が回復すれば自然に元の状態に戻ることがほとんどです。しかし元々AGAの素因を持っている人の場合この休止期脱毛がきっかけとなってヘアサイクルの乱れが定着しそのままAGAが本格的に進行してしまうという負の連鎖が起こる可能性もゼロではありません。特に高熱後の体力低下や病中病後の栄養不足が続くと髪の回復に必要なエネルギーが確保できず新しい髪が生えてこないあるいは細いままになってしまうことがありますので病後は意識的にタンパク質やビタミンを摂取し十分な休息をとって体のリカバリーに努めることが重要です。もし半年以上経過しても抜け毛が収まらない場合や明らかに以前よりもボリュームが戻らない場合は単なる休止期脱毛ではなくAGAが顕在化した可能性や慢性的な甲状腺疾患などが隠れている可能性がありますので専門医に相談することをお勧めします。病気後の抜け毛は体が闘った証であり勲章のようなものですのであまり悲観的にならず「体が生死をかけて頑張ってくれたんだ」と労る気持ちを持ちながら焦らずゆっくりと髪が戻ってくるのを待つ余裕を持つことが大切です。急激な抜け毛に驚いてストレスを溜め込むことこそが回復を遅らせる最大の要因ですので正しい知識を持って冷静に対処しましょう。