もし、自分の薄毛治療が医療費控除の対象になる可能性があると判断した場合は、翌年の2月から3月にかけて行われる確定申告で申請を行う必要があります。医療費控除は、自分自身や扶養家族のために支払った1年間の医療費の合計が、原則として10万円(所得が200万円未満の場合は所得の5%)を超えた場合に、その超過分を所得から差し引くことができる制度です。申請には「医療費控除の明細書」の作成が必要であり、通院した病院の名前や支払った金額を正確に記載しなければなりません。領収書そのものを提出する必要はありませんが、税務署から提示を求められる可能性があるため、5年間は自宅で保管しておく義務があります。また、通院にかかった電車やバスなどの公共交通機関の運賃も控除の対象に含まれるため、これらも忘れずに記録しておくことが節税効果を高めるコツです。あくまで「治療に直接必要な費用」であることが大前提であることを念頭に、漏れのない準備を進めましょう。医療費控除には、通常の制度のほかに「セルフメディケーション税制」という特例があります。これは、スイッチOTC医薬品(要指導医薬品や一般用医薬品のうち、医療用から転用されたもの)を一定額以上購入した場合に、所得控除を受けられる制度です。ドラッグストアで購入できるミノキシジル配合の発毛剤などは、この制度の対象となる製品が含まれていることがあります。ただし、通常の医療費控除とセルフメディケーション税制は、同じ年に併用することができないという重要なルールがあります。どちらを選択する方が還付額が多くなるかは、年間の総医療費とOTC医薬品の購入額、そしてご自身の所得金額によって変わります。AGA治療をクリニックで受けている場合は、通常の医療費控除の方が有利になるケースが多いですが、市販薬を中心にケアしている方は、パッケージに記載されている「セルフメディケーション税制対象」のマークを確認し、有利な方を選択するシミュレーションを行うことが推奨されます。
確定申告で医療費控除を申請する際の基本的なルールと手順