私が薄毛を気にし始めたのは三十代前半の頃でしたが当時の悩みは髪が薄くなることよりも耐え難い頭皮の痒みと止まらないフケでした。毎日しっかりとシャンプーをしているにもかかわらず昼過ぎには頭がムズムズとし始め無意識のうちに爪を立てて掻いてしまうのです。そしてふと肩を見ると黒いジャケットに白い雪のようなフケが点々と落ちておりトイレの鏡でそれを払い落とすのが日課となっていました。当初は乾燥肌だと思い込み洗浄力の弱いオーガニックシャンプーに変えたり高価な頭皮用ローションを試したりしましたが状況は一向に改善しませんでした。それどころか抜け毛の量が日に日に増えていき洗髪時の排水溝が真っ黒になる光景を見て恐怖を覚えるようになりました。意を決してAGA専門クリニックを受診したところ医師から告げられたのは「脂漏性皮膚炎を併発したAGA」という診断でした。医師の説明によるとAGAによるホルモンバランスの影響で皮脂が過剰に分泌されそれが原因でマラセチア菌が増殖し炎症を起こしているとのことでした。さらに私が痒みのあまり頭皮を強く掻きむしっていたことで角質が傷つきさらにフケが増えるという悪循環に陥っていたのです。治療はまず炎症を抑えることから始まりました。抗真菌剤入りのシャンプーとステロイドの外用薬が処方されAGA治療薬としてはフィナステリドの内服を開始しました。最初の二週間は痒みとの戦いでしたが医師の指示通りに爪を立てずに指の腹で優しく洗うことを徹底し薬を使い続けたところ嘘のように痒みが引きフケも激減しました。頭皮の赤みが消えて健康的な青白い色に戻った頃からフィナステリドの効果も現れ始め抜け毛が目に見えて減っていきました。今振り返って思うのは頭皮トラブルを放置したまま自己流のケアを続けていた時間が一番の無駄だったということです。痒みやフケは体が発している異常事態のサインでありそれを「体質だから仕方がない」と諦めてはいけなかったのです。もし今あなたがフケや痒みに悩みながら薄毛の不安を抱えているなら迷わず専門医に相談してほしいと思います。それは単なる肌荒れではなくAGAという病気の進行を加速させるトリガーになっているかもしれないからです。正しい診断と適切な治療を行えば頭皮環境は劇的に改善しそれが結果として髪を守ることにつながるのだと身をもって体験しました。清潔感を取り戻し痒みのない快適な生活を送れるようになった今私は自分の髪と頭皮に対して以前よりもずっと愛情を持って接することができるようになりました。
頭皮の痒みとフケに悩まされた私のAGA治療体験記