三十代半ばを過ぎた頃から鏡を見るたびに額の生え際が気になり始め同僚の視線が自分の頭部に向けられているような被害妄想に駆られる日々を送っていました。AGA治療薬の服用を検討しましたがどうしても副作用への不安が拭えず二の足を踏んでいたところネット検索でAGAレーザー治療の存在を知りました。最初は半信半疑でしたがFDAつまりアメリカ食品医薬品局の認可を受けた機器があることや痛みがなく自宅でケアできる手軽さに惹かれ高額ではありましたが思い切ってキャップ型の家庭用レーザー機器を購入することにしました。使い方は非常にシンプルで内側にレーザーダイオードが埋め込まれた帽子を被りスイッチを入れるだけです。推奨される使用時間は一日わずか六分程度であり私は毎晩風呂上がりに髪を乾かしてからテレビを見たりスマホをいじったりしながら被ることをルーチンにしました。最初の数週間は何の変化も感じられずやはり高い買い物をしただけで効果などないのではないかと不安になりましたが三ヶ月が経過した頃から明確な変化が現れ始めました。それは抜け毛の減少です。以前はシャンプーのたびに排水溝に溜まる髪の毛を見てため息をついていましたが明らかにその量が減り始めました。さらに半年が経過する頃には生え際の産毛が以前よりも太くしっかりとしてきたことを実感できるようになりました。薬のように劇的に髪が爆発的に増えるわけではありませんが頭皮の環境が整い髪一本一本にコシが出てきた感覚があります。何よりも薬を飲み続けるという心理的な負担から解放され被るだけという手軽さが自分には合っていました。初期投資はかかりますがランニングコストが電気代のみであることを考えれば長い目で見れば経済的かもしれません。今ではこの帽子を被ることが一日の終わりのリラックスタイムの一部となっており焦らずじっくりと自分の髪と向き合っていく自信がつきました。育毛機器市場には様々な製品が溢れていますがその中には「LED」を謳うものと「レーザー」を謳うものが混在しており消費者にとってはその違いが分かりにくい状況にあります。科学的な観点から言えばこの二つは光の性質において決定的な違いがあります。レーザー光は「コヒーレントな光」と呼ばれ波長が一定で位相が揃っているため直進性が非常に高くエネルギーを減衰させることなく一点に集中して深部まで届けることができます。これに対しLEDの光は拡散光であり光が四方八方に広がるため皮膚の表面でエネルギーが分散してしまい毛根の奥深くまで十分な刺激を届ける力がレーザーに比べて弱いとされています。AGA治療において重要なのは毛包の奥深くにある毛乳頭細胞まで光を到達させミトコンドリアを活性化させることです。したがって医療レベルでの発毛効果を期待するのであればLEDではなくレーザーダイオードつまりLDを搭載した機器を選ぶことが科学的に理にかなっています。